先日、義援金と寄附金控除についてコメントしたところ、「銀行に聞いても、「税務署や税理士に聞いてくれ」と言われて埒があかないし、お前の文章も簡単に触れてるだけでわかりづらいので、もう少しまとめて書いてくれ」という意見もいただいたので、少し補足します。
国税庁のHPにあるように、私たちが今回の義援金のような一定の寄附をした場合、確定申告をすると税金が返ってくるケースがあります。
どんな寄附でも認められるというわけではなく、国税庁のHPに示される特定寄附金にあたるものが、それにあたります。
例えば、今回、中央募金会(赤い羽根)への寄附は特定寄附金にあたっていますが、AKB48が募集した義援金は残念ながら特定寄附金にははいっていません(なお、AKBプロジェクト募金は日赤に寄附されています)。寄附金控除を受けるためには、特定寄附金が認められている団体に直接寄附する必要があるということです。
次に、寄附金控除の額ですが、
次のいずれか低い金額 - 2千円= 寄附金控除額
イ その年に支出した寄附金の額の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
上記の額が税額控除ではなく所得控除されます。
例えば、1万円寄附した場合、1万円から2千円を引いた8千円が還付されるわけではなく、8千円分の所得に対して払った税金が還付されます。わたしたちの所得に対する税率が10%なら800円。20%なら1600円というです。一般的な所得の方ならこのくらいの還付になるのかなぁ、というところです。
また、寄附金控除には寄附した先からの領収書等が必要ですが、義援金の領収書ともなると膨大な件数になるので、それだけで寄附先の業務がパンクしてしまう、ということで、95年の神戸の震災の際には、下記のような取り扱いがされ、郵便局の払込金受領証を領収書に替えることができました。
郵便振替票の払込金受領証を寄付金控除等の証明書の代替として取扱うことについて(照会)
さて、先日書いたのは、この寄附金控除が偶然にも2011年度の税制改正の対象になっていて、控除の額が広がるはずだったのに、震災前からの国会の混乱と現在の震災の対応で、まったくの棚上げ状態になっており、残念だ、という話でした。
具体的には、寄附金控除に上記の所得控除だけでなく、税額控除も導入する、という案でした。
平成23年度税制改正大綱
大綱のp101の28行目に「税額控除対象法人」に寄附をした場合、
寄附金(総所得額の40%相当額を限度)で、その寄附金の額が2,000円を超える場合には、所得控除との選択により、その超える金額の40%相当分(所得税額の25%相当額を限度)をその者とその年分の所得税額から控除します。
とあります。
先ほどの1万円の寄附した場合なら、今までどおりの所得控除のほかに、1万円から2千円を引いた8千円から、その40%分
(1万円-2千円)×40%=3200円
3200円が還付される税額控除を選んでもいいことになります。
所得税率が40%以上の方には関係ない話ですが、大多数の方にとっては、還付金額が大きくなり、その分、寄附がしやすくなるはずでした。
早く決まるといいのですが。
なお、国税庁から、現行税法での対応になりますが、下記の案内が震災後改めて発表されています。
募金団体を通じた義援金等に係る税務上の確認手続きについて
なお、ポイント募金の存在というのは神戸の震災との違いの一つですし、ポイントは寄附金控除の対象になるのか、とも聞かれましたが、私見ながら、寄附金控除の対象にはならない、と思います。
そもそも、ポイント募金をやっているところが、大概が特定寄附金に該当しない、ということもありますが、ポイントを控除対象とすると、そもそもポイントは現金と同じものだと国家が認めた(少なくとも税法上は)と考えることになります。そうすると中央銀行以外の団体が通貨を発行していることになりますから、いろいろと厄介な問題が生じてきますので・・・まぁ、ムリでしょう。高額のポイントを寄附される方はご留意ください。
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